年賀状

お年玉をもらえる立場で無くなって、はや10数年…
元旦の楽しみと言えば、日の出、箱根駅伝、そして年賀状。


年末の気ぜわしい時に作る年賀状は宿題みたいに億劫なのに、年を越すと
そんなことはすっかり忘れて、待ち遠しい。


友人やお世話になった方に会える機会もだんだん限られてきて、中には
年賀状だけのごあいさつになってしまっている人もいる。

でも一年の朔にお互いの近況を報告し合えるのは、どこか嬉しい。
「子どもが生まれました」「今年こそ会おう!」などの一言の向こう側に
その人の笑顔や、一年の様子を思い浮かべられる。

一言もなかったり、全て文明の利器による年賀状も時にはあるけれど
それはそれで、忙しい年末を想像できたり、それまでの自分の
音信不通ぶりを反省したりできる。


そんな年賀状に、息子が生まれてひとつだけ、頑張っていることがある。
それは宛名だけは、手書きで書くことだ。
私は、決してお世辞にも字がきれいではない。
書道を習ったこともなければ、筆ペンみこちゃんをしたこともない。
完全、ずぶの素人かつ素人の中の下の下。

新年早々、赤っ恥をかいたりお見苦しいモノをさらさないでも…
とは思うのだが、それをしてでも書くには理由がある。


といって、大したものでもないのだが…息子ができて名前を決める時
たいそう悩んだ。
息子は生後2週間、名無しのごんべえだったくらいだ。
で、悩んだ末につけた大切な名前。


名前とはそれぞれ誰かが悩み様々な思いを込めて付けられているはず。
そんな大切な名前を、一人ずつの顔を思い浮かべながら、きれいでは
ないけど丁寧に書く作業が、今の私にはとても楽しい。
なんだか一年を振り返りながら、心の大掃除をしているみたいな気持ち
になる。


正直、決め事ではないのでいつまでできるか分かりませんが…
そして、今年は喪中につき新年のご挨拶もできませんが…