ぼちぼち

ずーっと昔に買っていたミニ絵本「ぼちぼちいこか」

ぼちぼちいこか

ぼちぼちいこか

主人公のカバが様々な職業になろうとチャレンジするものの、全て
「あかんわ」となり、最後は「ぼちぼちいこか」で締めくくられる
関西弁ベースのほのぼのな絵本。


息子の最近のお気に入りなのだけど、まだ「ぼちぼち」が何ぞやとは
分かっていないため面白い使い方をする。


ある日のお風呂でのこと。
「ぼちぼち…辛くないよなぁ」と突然言い出した息子。
へぇ…と母。
「ぼちぼち、買いに行こうか」と息子。
「いいけど、どこに売っとん?」と母。
「あんなぁ、あんなぁ、ハローズ(近所のスーパー)に売りょうる」
ということで、湯船が車に変身し息子の運転の元、スーパーへ。

「いらっちゃいませぇ、ピッ(レジの音)50円です」と息子。
「ぼちぼち50円ですか?」
「はい!」
と私の手からエア50円を奪い取り、「帰ろっか?」と息子。
店員になったり、本人に戻ったり忙しい。
再び息子の運転で帰るごっこ


いい頃合いで家に着いたらしく、「ぼちぼち食べよっか」と息子。
けっして、そろそろ食べようか…の意味ではなく、「ぼちぼち」を
食べようかと言っている。
面白そうなので賛同すると、包丁で切るマネをして「はい、お皿」と
取り分けて、差し出してくれた。
「ところでぼちぼちって何色?」と尋ねると
「あんね、あんなぁ〜え〜っと、ピンク!」続けて、
「くまが落としてなぁ、あんなぁ〜うさぎさんが持っとるの」と。
「そっかぁ、ぼちぼちってやわらかいの?かたいの?」と母。
「…(しばしの沈黙)…なぁなぁ、食べよっか」と息子。
なぁなぁとは方言でねぇねぇの意味。質問の意図がよく分からなかった
らしく、息子なりに話をすり替えたらしい。
二人で「いただきます!」と唱和しぼちぼちとやらを頂いた。
「パクっと食べたらおいしいね♪」と満面の笑みの息子。
思わず私も「おいしいねぇ」と言ってしまった。


息子の話を要約するに、「ぼちぼち」とは森の動物の間で流行っている
ピンク色をした辛くはない、食感不明のスーパーで買い求められる税込
50円の食べ物…らしい。


こうやって、活字にすると息子がやたら流暢に日本語を話しているように
見えるかもしれないが、ここまで聴きとれるリスニング力は家族の中でも
私一人しかいない。
でも、「なぁなぁ、あんなぁ、あんねぇ〜」だけはいやにはっきり最近
話の中に入れてくる息子の表情はちょっと自慢げで面白い。